新幹線や特急列車に乗ると必ず現れる車内販売のワゴンを引くパーサー。
お腹が空いていなくても、ちょっと何か買いたくなりますよね!
以前も、本サイトではJR東海道新幹線開業50周年について触れたが、10月1日に、東海道新幹線は開業から50周年を迎えた。半世紀もの間、日本の大動脈として人々の移動の足を支えてきたことになる。今回は、東海道新幹線の意外と知らない「車内販売」について紹介したい。
■「車内販売」が最も売れる時間帯は?
東海道新幹線の一車両の長さは約25m。全16両で400mあまりに達する。この約400mを舞台に乗客に飲食物などを提供するのが「車内販売」、いわゆるワゴン販売サービスだ。平成12年(2000)に食堂車が廃止されてから「車両の華」として乗客に親しまれるパーサーたちに話を聞いた。平成8年入社の平島加津代さんは、パーサー一筋18年。現在はチーフパーサーを務めるベテランだ。
写真中央が平島さん。
「車内販売の人気商品は今も以前と変わらずお弁当、お茶、コーヒー、サンドウィッチなどです。私の入社当時はつぶつぶ果汁缶ジュースが人気でした」
新幹線の種類により乗車するパーサーの数は異なるが、ひかり号の場合、パーサーは基本的に3名。11号車にある車内基地を起点に、ひとりは1号車方面に、もうひとりは16号車方面にワゴンを押しながら向かう。両者の販売状況を見極めながら、フォローの指示を出すのがチーフパーサーだ。新幹線でいちばん忙しい時間帯は、午前の遅い時間だと平島さんはいう。
「午前10時から11時くらいに東京駅を出る列車がよく売れるような気がします。朝のコーヒーから始まり、お昼のお弁当、その後にアイスクリームなどのデザートも召しあがってくださるお客様もいますから」
弁当を購入した乗客が、パーサーが1号車まで行って引き返してくると、今度はコーヒーを求めることも珍しくないという。夜の時間帯だと酒類がよく出るが、その後、コーヒーやアイスクリームを酔い覚ましとして購入する乗客が多いのだとか。
乗車前、同乗するチーム全員で行なうミーティングでは、販売目標数の確認が行なわれる。ワゴンに積み込む商品も時季や天候によって微妙に変わっている。
乗車前、同乗するチーム全員で行なうミーティングの様子。
「夏休みや冬休みはお子様の乗車が多いので、お菓子類やアイスクリームを多めに積み込みます。暑い日や湿度の高い日はアイスコーヒーがよく売れますので、各自考えてワゴンセッティングしています」
その日の状況を的確に把握し、サービスが充分行き届くよう準備を整えるのは、パーサーの腕の見せ所だ。いつも笑顔を絶やさないパーサーたちだが、その任務はなかなかハードだ。パーサーたちの勤務は、東京~新大阪間の一往復が基本。新大阪で宿泊して翌日東京に戻るというケースもある。
■ワゴンに積まれている商品の数は、50~60品目
1回の乗務で歩く距離は最低でも約800m。一編成の持ち回り号車を二往復する計算だが、多い時には更にもう一往復する。大人の男性の体重ほどもあるワゴンを押しつつ、接客しながら何往復もするのだ。乗客が何か買いたいなと思っていてもタイミングが合わないということも、よくあるのではないだろうか。
パーサーは大人の男性の体重ほどもあるワゴンを押しつつ、接客しながら何往復もする。
「そのような時は、パーサーが車両から出る際に車両を向いてお辞儀をします。その時に手を挙げていただければ、だいたい気付きます。ぜひ手を挙げていただければと思います」
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ワゴンに積まれる商品アイテムは50~60品目。スマートフォンの充電器なども置かれている。中でも季節限定の商品や、車内でしか購入できない限定商品などは人気が高く、まとめて購入していく乗客もいるという。
ワゴンに積まれる商品アイテムは多い。
知らない人も多いがメニューも用意されている。
「伊勢エビ味と塩味のポテトチップスが今は人気です。お薦めしたいのは、新幹線スイーツとコーヒーのセットです。都内の有名店の焼き菓子なんですよ」
人気の伊勢エビ味と塩味のポテトチップス。
季節によって、オーストラリアワインやコーヒーなどのキャンペーンを行なうこともある。忙しい彼女たちの励みになるのが、「ありがとう」の一言だそう。中には、会社にお礼の手紙をくれる乗客もいるのだとか。
「単純なことのようですが、やはり喜んで頂けることが嬉しいから、こんなに長く続けていられるのだと思います」
新幹線の座席数は、1323席。途中駅で乗り降りする人もいるので、延べ人数は更に多い。その中で接する乗客との出会いはまさに一期一会だ。そうしてサービスを提供するひとりひとりとのご縁を大事にしながら、パーサーたちは今日も笑顔で奮闘している。
動く乗り物の中で何と大人の男性と同じくらいの重さのワゴンを引いて約800メートルを往復するのは、結構大変な仕事ですよね!?
そして、商品のつめこみまで彼女たちがやっていたのですね。
ネットユーザーの声
「うちの母が若い頃やってた。売り物の弁当を届けてた業者の父と知り合って結婚しワシら兄弟が生まれたのでありました。車販ありがとうw」
「昔、サンドイッチは色んな食べ物を挟むので「3度の食事を一緒に食べられる→3度一致」からきた名前なんだよ、と騙してしまったM君、ごめんなさい。本当は「砂(サンド)の魔女(ウィッチ)」ですよ(´・ω・`)」
「あの独特な形状のお茶のボトル懐かしいなぁ。 今じゃペットボトルが主流だし」
「あんな小さなワゴンがドラえもんのポケットの様に思えて、いつも感心する」
「冷凍みかん……」
「新幹線グッズ☆とかでしょ(^^)/」
「新幹線利用が全くなくなった今も、スジャータのアイスが忘れられず、お取り寄せして冷凍庫に常備しております(●^o^●)」
「車販のある列車に乗ったら、スジャータのアイス!これはテッパン!」
「私も1991年8月から翌年3月までT国ホテル列車食堂にて車販のアルバイト(東海道・山陽新幹線)をしていました。1号車から8号車までをA車、9号車から16号車までをB車、懐かしいですね」
「1番の人気は笑顔と親切ですよ(^ω^)」
やはりみなさんから好印象なこの仕事をしている彼女たち、接客の仕事って本当に大変ですが、あんなに思いワゴンを引いてにこにこ笑顔愛想を振りまいて素晴らしいです!
ワゴン販売の仕事って時給どのくらいなの!?
意外と知られていませんがワゴン車を押している彼女達のなかにはパートの方もいるんです。
ちょっと今募集しているワゴン販売の時給を比較してみましょう!
☆ロマンスカー☆
時給:(1)1往復/基本4200円〜 日収8400円以上 (2)1往復/基本3500円〜 日収7000円以上 往復数と能力により多少の違い有り。
☆JP北海道☆
時給:1000円
☆JR東日本☆
時給:1000円以上
地域の時給の相場によって多少の違いはあれど、結構面白そうだし経験になりそうですね!
JR東日本は寝台特急のバイト募集もしているようです。
気になる方はワゴン販売、バイトで探してみてくださいね!
筆者:AI HONDA EKLUND
スウェーデン・ダーラナ地方在住のマルチオペラシンガー。
このことについてはあなたはどう思う??