スギヒラタケを食べた秋田県内の20代男性が急性脳症を起こしたことがわかり、県が注意を呼びかけているようです。スギヒラタケは腎機能が低下している人が食べると急性脳症を発症することが多いとされていますが、この男性に持病はなかったようです。担当者は「腎機能が低下していない人も念のため摂取を控えて」と話しているそうです。
【以下引用】
スギヒラタケを食べた秋田県内の20代の男性が急性脳症を起こしたことが分かり、県は注意を呼びかけている。スギヒラタケは腎機能が低下している人が食べると急性脳症を発症することが多いとされるが、この男性に持病はない。担当者は「腎機能が低下していない人も念のため摂取を控えて」と話している。
県によると、男性は9月中旬から下旬にかけてスギヒラタケを食べ、先月30日に意識障害やけいれんを起こした。命に別条はない。スギヒラタケが原因とされる急性脳症は県内で10年ぶりという。
スギヒラタケを巡っては、2004年秋に秋田や山形、新潟の各県などを中心に各地で急性脳症を発症する事例が相次いだ。同年には全国59人が発症し19人が死亡した。このうち県内では24人が発症し8人が亡くなっている。
ネットでは・・・
「スギヒラタケの味噌汁もうたべない方がいいのかー」
「北米ではよく食べられてるけど日本人には合わないらしいね」
「おととい爺ちゃんが食べたけど、今のところなんともない(笑)」
「小さい頃貰い物がよく届いておつゆに入ってたけどニオイと味が大嫌いだった。毒があるって有名になって良かった!」
「写真見ると・・・これを食べるんだ? って思っちゃった。山菜は知識ないと怖いですね。サバイバル生活には必要な知識ですよね」
「山菜きのこ類って、マジで専門知識の必要な分野だよね」
・・・等々。
スギヒラタケってどんなきのこ?
キシメジ科スギヒラタケ属のきのこ。
晩夏から秋にかけて、スギやマツなどの針葉樹の倒木や古株に群生する白い耳型や扇形の薄っぺらなきのこです。
傘の大きさは2センチ~7センチ前後。
昔から食用として主に北国で食べられてきました。
歯触りが良く、淡泊でクセのない味で、和え物や味噌汁の具、塩漬けにして保存食として重宝されていたようです。
地域によって呼び方が違い、秋田県では「かぬが」「かぬか」「かぬがきのこ」「かのか」「かのが」「かのかきのこ」「しぎかのか」「しぎきのこ」「すぎあおけ」「すぎおわけ」「すぎきのこ」「すぎわかえ」「すぎもだせ」「すぎわかえ」「すぎかのか」「すぎたけ」「わかい」「わかいきのこ」など、新潟県では「こけ」「しらふさ」「やたは」「すぎごけ」など、岩手県では「かぬか」、宮城県や山形県では「すぎかのか」、福井県では「すぎごけ」「すぎたけ」、福島県では「すぎたけ」、青森県では「わかい」「わかいきのこ」などと呼ばれているようです。
・「ヤキフタケ」に似ているそうです。(写真下)
ヤキフタケはブナの枯れ木などに発生します。
色は僅かに黄色から灰色。傘にブナサルノコシカケのように年輪に似た模様があります。
しかし、調べてみると、「ヤキフタケ」はサルノコシカケ科でかたくて普通は食べないそうですが・・・。
ぱっと見で似てるのは、「ブナハリタケ」でしょうか。(写真下)
白色をしていて、ブナなどの広葉樹の枯れ木や倒木などに群生しています。
直径が5センチほどで形は扇形から貝殻型。ヒダの部分にはとがった針のような突起がいっぱい。この突起が「スギヒラタケ」とは違うところでしょうか。
やや甘いような独特の香りがあるそうです。
ちなみに、スーパーなどで売っている「ヒラタケ」や「ウスヒラタケ」は別のものなので、食べても大丈夫です。
スギヒラタケの毒性
下痢や腹痛などの症状はありません。
食べた後、2日から1ヶ月後に足の脱力感やふらつきなどが起こるそうです。その後、筋肉の収縮、弛緩が繰り返される、いわゆるふるえなどや、発音が正しくできない構音障害などが起こり、そして急速に麻痺や全身性のけいれん、意識障害などが起こり、脳浮腫が進行して死に至るそうです。
また、回復までには1ヶ月~2ヶはかかるそうです。
毒性分はいまだ不明のようです。
治療方法としては、人工透析や、脳炎などの合併症状に対する治療が主になります。
ちなみに、なぜ今まで普通に食べられてきたのに、急に急性脳炎の原因として考えられるようになったかというと、2003年に改正された感染症法で、急性脳炎の患者が発生した時に行政への届け出が必要になり、それによって初めてスギヒラタケとの関連が疑われたためと考えられています。
腎機能障害を持つ人が食べて急性脳炎を発症する事例が相次いで報告されていますが、スギヒラタケを食べて急性脳炎を発症した事例には、今回と同じように、腎臓病の既往がない人も含まれています。
まあ、食べない方が無難ということですね。
秋になると、きのこによる食中毒が増えてきます。
毎年きのこを採っているベテランでも間違えるような、食用と見分けのつかない毒きのこも多くあります。
ましてや、素人が見よう見まねで採って食べるのは危険ですので、注意した方が良いです。
このことについてはあなたはどう思う??