バレエ界の大きいコンクールといえば日本で最も有名なのは今までローザンヌ国際バレエコンクールとされてきた。
しかし、日本で有名な国際コンクールは、過去に日本人の受賞者がいるコンクールに限られてくる。
したがって、もし何か芸術部門の国際コンクールを受けたい場合、自分で現地の言葉で調べて探し当てるのが一番良いようである。
今回日本人バレリーナの木田真理子さん(30)が受賞したブノワ賞とは、どんな賞なのだろうか。
27日、露・モスクワで発表されたバレエのブノワ賞をスウェーデン王立バレエ団の木田真理子さん(30)が日本人では初めて受賞した。
木田さんが演じた「ジュリエットとロミオ」はスウェーデンの振付家、マッツ・エックさんの新作だ。舞踊評論家の長野由紀さんによると、古典名作中の女性を「現実にあらがう人物」に再生させるのがエック作品の特徴。「木田さんの演技は『かれんな少女』という従来のジュリエット像を覆す力強さに満ち、現代人の共感を呼ぶ。同時に、『古典的でたおやか』という日本のバレリーナへの既成概念をも打ち破った感があります」と、長野さんは絶賛する。
ブノワ賞は前年度に成果を上げた振付家やダンサーを対象とし、ノミネートされた顔ぶれを見るだけで「世界のバレエの地勢図が分かる」という。「ローザンヌを出発点に世界へ飛び出した日本のダンサーたちが、苦手とされてきた現代作品でも頭角を現しつつある。この受賞は、日本のバレエの一つの到達点」と、長野さんは話している。【斉藤希史子】
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素晴らしい快挙ですね!
筆者は声楽家なのですが、イタリアで暮らしていたころにバレリイナの方と一緒に暮らしていた事があって、同じ芸術家でも違ったストイックさをもって彼女はバレエに打ち込んでいたのを覚えています。
日本人は背が小さいから不利、とされてきた数々の難関を、近代若手バレリーナ達が突破していってます。
しかしバレリーナも、私達声楽家同様に年齢制限が関わってくると思うので、木田さんも若いうちに更なる飛躍をしていただきたいものですね!
ブノワ賞
優秀なバレエ関係者に与えられるロシアの賞。
バレエ界でいうアカデミー賞やオスカー賞である。
審査員は、世界中のバレエ界の重鎮の中から毎年選ばる。
彼らの審査によって、前年の一年間でもっとも優秀だった男女ダンサーや振付家、デザイナーなどが国際ダンスデーであるユネスコの定めた4月29日に選出され、5月にモスクワのボリショイ劇場で授賞式と受賞者によるガラ公演が行なわれるのが習わしだ。
このブノワ賞目的は、この賞の開催によってバレエ文化を広め、世界のバレエ関係者が結束する事、さらにガラ公演で得た収入をロシアバレエ界の退職者への支援金として提供する事だ。
ブノワ賞の名前の由来は、バレエ・リュスの舞台デザイナーだった画家のアレクサンドル・ベノワにちなんでいるそうである。
受賞対象者は、バレエ界に関わる様々な分野の人々。
過去の受賞者はウィリアム・フォーサイス、ミハイル・バリシニコフ、モーリス・ベジャール、シルヴィ・ギエム、オーレリー・デュポン、ジョン・ノイマイヤー、ローラン・プティなど。
日本人の中からは、藤野暢央が2005年に、秋山珠子が2006年にノミネートを果たしているが、いずれも受賞には至らなかった。
今年初めて木田真理子がマッツ・エック版「ロミオとジュリエット」においてジュリエット役を初々しく演じたのが評価され、日本人初の快挙で受賞となった。
このことについてはあなたはどう思う??