もともと日本にいない「外来種」。最近は、良くニュースなどで聞いたり目にしたりするようになりましたよね。外来種の有毒グモ「セアカゴケグモ」が、９月２４日に東京都内で初めて見つかったようです。基本的におとなしく攻撃性はないのですが、雌には毒があり、触ると噛むことがあるそうです。もし見つけたら、素手で捕まえたり触ったりせず、地元の自治体に連絡しましょう。

【以下引用】

　外来種の有毒グモ「セアカゴケグモ」が9月24日、東京都内で初めて見つかった。基本的におとなしく攻撃性はないが、雌は毒があり、触るとかむことがあるため、東京都福祉保健局などは「素手で捕まえたり、触らないように」と注意を呼びかけている。

セアカゴケグモは、特定外来生物に指定されているゴケグモ。原産地はオーストラリア。もともと日本にはいなかったが、平成7年に大阪府で発見されて以降、多くの自治体で確認されているが、東京での発見は今回が初めて。

9月24日、三鷹市下連雀のマンションの庭で住民がセアカゴケグモ1匹を発見して通報。その後の調査で、周辺の公園でも10数匹が確認された。情報提供を受けて、三鷹市では周辺の公園などの調査や駆除を実施。クモにかまれた人や健康被害の訴えはないという。

セアカゴケグモは、基本的におとなしく攻撃性はないが、雌は毒があり、触るとかまれることがある。成熟した雌の体長は、約0.7～1cm。全体が光沢のある黒色で、腹部の背面に目立った赤色の縦斑紋がある。

発見した場合は、地元の自治体に連絡すること。また、かまれたときは、温水や石けん水で傷口を洗い流し、早めに医療機関を受診した方がよいという。

 

ネットでは・・・

「ヒトスジシマカの次はセアカゴケグモか。東京もあたたかくなってるんだねー（棒）」

「東京のあちこちにセアカゴケグモか。うーん、コワイ！！」

「デング熱、マダニ感染症の次はセアカゴケグモですか・・・日本凄いな」

「さっきつぶした蜘蛛が どうもセアカゴケグモだったような気がしてならない(´･ω･`;)　」

「通勤用のカバンにクモをくっつけて歩いてるサラリーマンがいて、あぁこうやってセアカゴケグモは東京へ進出したのかと納得した」

・・・等々。

 

クモって、けっこうどんなところにも巣を張ってますよね。

自動車のドアミラーや自転車や、バケツや外に出しておいた傘なんかにも、一晩でクモの巣が張られることがあります。

外来種であるセアカゴケグモも、自動車などについて、あちこちに運ばれて生息地が広がって行くのでしょうね。

 

セアカゴケグモってどんなクモ？

ヒメグモ科ゴケグモ属のクモ。

オーストラリアが原産で、ニュージーランド、ヨーロッパ諸国、東南アジア、アメリカなどで生息が確認されているようです。

日本にはもともといない種類のクモでしたが、１９９５年に大阪府で見つかったことを皮切りに、他の地域でも見つかっています。南は沖縄県、北は岩手県まで、現在は３５都道府県で見つかっているようです。

 

セアカゴケグモは、メスとオスで体の大きさや模様が違うようです。

メスは体長１センチ前後で、全体が黒くつやつやしています。腹部の背面に、菱形が２つ並んだような赤い模様、腹面に砂時計のような赤い模様があります。

オスは体長３～５ミリ程とメスより小さく、細いようです。褐色がかった色で、淡色の目立たない斑紋があるようです。メスと違い、腹部の背面に赤い模様はないようですが、腹面には赤い模様があります。

ただし、幼体の時はメスもオスも同様に淡褐色で不明瞭な縞模様を持っているのみで、明確な違いはないようです。

寿命はメスが２～３年、オスが６～７ヶ月。オスは交尾後にメスに捕食されることが多いようです。

１匹の総産卵数が、最大で５０００個になることもあるそうです。

 

巣は、地面に近く、直射日光の当たらない場所につくられることが多いようです。

 

毒は、神経毒の「α－ラトロトキシン」で、筋肉のけいれんや血圧の上昇、虚脱状態を引き起こします。

毒を持っているのはメスのみで、オスには人体に害をなす毒を持たないと言われていますが、オスについては知見が少ないそうです。毒は、獲物を咬んだ時に獲物の体内に注入されます。

咬まれると、激しい痛みの後に咬まれた場所が腫れます。発熱や筋肉痛、頭痛、脱力などの全身症状が現れる場合があります。重症例では、進行性の筋肉麻痺が生じる場合もあるそうです。

咬まれた時には、すみやかに医療機関を受診してください。また、重症化した時には抗毒素血清による治療が必要になります。そして、種類がわかるように、できれば殺したクモを病院に持参しましょう。

 

駆除の仕方は、市販のピレスロイド系の殺虫剤を使用することで殺すことができます。また、熱湯をかける、靴で踏みつぶすなどの物理的な方法でも駆除ができます。卵については、殺虫剤が効きにくいため、つぶすか焼却するかするしかないようです。

１匹見つかれば、周囲にもひそんでいる可能性がありますので、もし見つけた場合はよく確認しましょう。

 

有毒グモ

セアカゴケグモにかぎらず、他にも有毒のクモは日本にいます。

 

ハイイロゴケグモ

ゴケグモ属のクモで、「ハイイロゴケグモ」も、外来種として日本で発見されています。セアカゴケグモと同じ「α－ラトロトキシン」という毒を持っていて、これもメスのみが毒を持っているようです。

オーストラリア、中央アメリカ、南アメリカ、太平洋諸島が原産で、日本では１９９５年神奈川県横浜市で発見された後、東京都、愛知県、大阪府、福岡県、鹿児島県、沖縄県で見つかっているようです。

メスの体長は１センチ前後。色彩は様々で、腹部の背面が真っ黒、または茶色や灰色などで斑紋があるものなどがあるようです。セアカゴケグモと同様に、丸い腹部の腹面に赤い斑紋があるのが特徴です。

 

クロゴケグモ

他には、ゴケグモ属では「クロゴケグモ」も日本で発見されています。２０００年に山口県の米軍岩国基地で最初に発見されて以降、基地内での繁殖が問題になっているようです。米軍は、成虫および幼虫の発見・駆除報告を岩国市にたびたび出しているようです。

また、基地内だけでなく、２０１１年までに３回ほど基地外でも発見されているようです。

メスの体長は３８ミリほどです。つやつやとした黒く丸い腹部の腹面に、砂時計の形をした赤い模様があります。

 

カバキコマチグモ

フクログモ科コマチグモ属に属する、日本に生息するクモです。樺黄小町蜘蛛。

体長は１０～１５ミリ。「カバキ」の名前の通り、オレンジ色をしています。足は黒色の毛が密生し、先端が黒いです。黒く大きなアゴを持っています。

在来種でもっとも強い毒を持っているようです。

クモの巣は張らず、イネ科の植物の葉を巻いて巣にします。食事は、夜間に草むらを徘徊して昆虫などを補食するようです。

メスは巣の中で１００個前後の卵を産み、ふ化するまで巣の中で卵を守ります。１０日ほどで卵はふ化し、生まれた子グモは１回目の脱皮をすると、母グモにとりついて食べてしまいます。

メスは産卵・育児期に巣を守るために攻撃性が高くなります。不用意に巣を壊してしまい、咬まれることがあります。

また、交尾期にメスをさがして屋内に入り込んだオスに咬まれることもあります。

交尾期の６月から産卵期の８月に、咬傷事件が発生することが多いようです。

 

 

クモの毒

基本的にクモは、大アゴに毒腺を持っています。

獲物に咬みついて毒を注入し、動きを封じて捕食します。

クモの毒は、普通は昆虫や小動物を死に至らしめる程度ですが、上記のようにまれに人間に害を及ぼすほどの毒を有しているものもいます。

クモの毒は「神経毒」や「組織毒（壊死毒）」です。

上記の「ゴケグモ類」や「コマチグモ類」は神経毒です。組織毒を持つものは「イトグモ類」が代表されます。ちなみに日本に生息するイトグモに毒はないようです。

毒グモに咬まれるとまず痛みがあります。

その後、痛みが続いたり局所が腫れたり、重症化すると頭痛や吐き気、発熱などが起こります。

咬まれた時には、咬んだクモを見つけて病院に持っていくと診断が早いです。

 

また、クモは毒があるないにかかわらず、素手などで触らないようにしましょう。

子供は好奇心が旺盛です。珍しいクモを見つけて素手でつかむこともあるでしょう。セアカゴケグモは低い位置に巣を張りますので、背の低い子供の目に止まることも多いと思います。この場合は、大人が気をつけてあげるようにしましょう。

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